第156章 何者かが毒を盛る

横山美雪は我に返るなり、怒気をまとって部屋へ踏み込んできた。さっきの有岡里穂の通話を聞いていたのだろう。後ろめたさを隠すように、逆に火がついたような声を張り上げる。

「何をでたらめ言ってるの? 阿部蓮太郎はただ酔ってただけよ。桜井秘書だって、私が送り届けたって知ってる。その電話、どういうつもり?」

有岡里穂は通話を切り、顔を上げた。視線は一歩も引かず、真正面から彼女の目を捉える。

「横山さん、耳が遠いようには見えませんけど」

ベッドの上では阿部蓮太郎の容体がさらに悪化していた。体内にまだ毒素が残っている以上、まずは部屋の薬剤を取ってこなければならない。

立ち上がり、戻ろうとしたとき...

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